【業界向け】一人親方が最初に管理すべき数字は、たった3つ

独立して、一人でやり始めた。仕事は途切れていない。それなのに、通帳の残高が思ったように増えない。
一人親方の方から、この相談を本当によく受けます。

数字を管理したほうがいいのは分かるんです。でも、何から見ればいいのか分からなくて…。
分かります。私も最初はそうでした。
経営の本を読むと、粗利率だの労働分配率だの、いろんな言葉が出てきます。でも、最初に見るべき数字は3つだけです。これ以外は、あとでいい。

この3つを出せるようになると、値段の付け方が変わります。逆に、これがないままだと、何年やっても勘のままです。
数字① 自分の1日の原価
まず、自分自身が1日いくらかかっているかです。
一人親方の方の多くが、ここを「もらった金額=儲け」だと感じています。でも実際には、自分を動かすのにお金がかかっています。
年間で、この全部を足してください。
- 生活に必要な手取り(家賃・食費・学費・すべて)
- 国民健康保険・国民年金
- 所得税・住民税・事業税
- 車両(ローン・任意保険・車検・ガソリン)
- 道具(消耗品・買い替え・修理)
- 携帯・通信・事務用品
- 賠償責任保険・労災の特別加入
これを、年間で実際に動ける日数で割ります。
ここが大事なところで、365日でも、300日でもありません。雨で流れる日、盆と正月、段取りだけの日、材料を拾いに行く日を引いてください。現実的には年240日前後になるはずです。
年間の必要額 ÷ 実働日数 = 自分の1日の原価

この数字が、いま受けている常用単価より高い方は、実はかなりいらっしゃいます。
常用単価の相場については常用単価公開!【2026年版】に書きました。国交省の公表値と並べていますので、比べてみてください。
数字② 現場ごとの、実際にかかった人工
2つ目は、その現場に何日入ったかです。
見積りのときは「3日で終わる」と思っていた。実際は5日かかった。この2日分が、どこにも記録されていない。これが一番よくある形です。
難しく考える必要はありません。カレンダーか手帳に、現場名を書くだけでいいんです。
「9/1 田中様邸」「9/2 田中様邸」「9/3 田中様邸・午後から山田様邸」
1か月続けると、現場ごとの日数が出ます。これに①の1日の原価を掛ければ、その現場の人件費が出ます。

昔はみんな頭でやっとった。せやけど頭は、都合の悪い日を忘れるんや。書いたもんは忘れん。
数字③ 現場ごとの、材料と外注の支払い
3つ目は、その現場で外へ払ったお金です。
- 材料の仕入れ(生コン・ブロック・砂利・商品)
- 外注(応援・重機・レッカー)
- 処分費(残土・ガラ)
これも、仕組みは要りません。納品書と請求書に、現場名を書くだけです。ペンで隅に書くだけで構いません。
月末に現場ごとに分ければ、それがそのまま材料原価になります。
3つが揃うと、引き算だけで粗利が出ます
これで準備は終わりです。あとは引き算だけ。
請求金額 -(① × ②)- ③ = その現場で残ったお金
この1行が出るようになると、判断が変わります。
- 「この種類の仕事は、うちだと残らない」が数字で言える
- 「この工事は3日では無理」と実績で言える
- 値上げをお願いするときに根拠が出せる

感覚で「しんどい」と言っても伝わりません。「この工種は毎回1.5日オーバーしています」と言えば、話が通ります。
やってはいけないのは「完璧に始めること」
最後に、これだけはお伝えしたいです。
数字の管理を始めようとして、いきなり立派なエクセルを作ろうとする方がいます。項目を細かく分けて、関数を入れて。
だいたい3か月で止まります。私もそうでした。
最初は、カレンダーに現場名を書く。納品書に現場名を書く。この2つだけでいいです。1年続いたものが、その人にとって正しいやり方です。
そして、現場が増えて手作業が追いつかなくなったら、そのときに仕組みへ移せばいい。順番はそれで合っています。

紙で1年続いた方は、システムに移してもちゃんと続きます。逆に、紙で続かなかった方は、システムでも続きません。
まとめ
- 自分の1日の原価(年間必要額 ÷ 実働240日)
- 現場ごとの人工(カレンダーに現場名)
- 現場ごとの材料・外注(納品書に現場名)
この3つだけです。今日から、手帳のカレンダーに現場名を書くところから始めてみてください。
会社の規模を大きくする話は会社を大きくするのは今すぐやめろ!に、現場ごとの利益が見えない理由は外構工事は儲かるのに、なぜ手元に残らないのかに書いています。
現場の数字について
その現場、いくら残ったか言えますか。
日報を入力するだけで、勤怠も給与も、現場ごとの原価と利益まで自動で集計。外構・エクステリアの現場に特化した現場管理システムです。
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