自転車はどこに置きますか?外構で駐輪スペースを決める順番と、後から困らない広さ
外構の打ち合わせで、駐車場の広さは何度も確認したのに、自転車をどこに置くかの話はしましたか?
図面を開いてみてください。車の絵は描いてあっても、自転車の置き場所まで描き込まれている図面は、正直なところ多くありません。
そして引っ越してから最初の週に、必ずこう言われるんです。「これ、どこに置いたらいいの?」と。

自転車くらい、空いているところに置けばいいと思っていました…。

その「空いているところ」が、家が建ったあとにはどこにも無いんですよ。自転車は、外構で一番あと回しにされるのに、毎日一番さわるものです!
今日は、駐輪スペースを決めるときの順番を書いていきます。難しい話はありません。順番を間違えなければ、ほとんどの失敗は防げます。
【まず知ってほしい】駐輪場は、余ったところに追いやられます
外構の図面は、だいたい決まった順番で埋まっていきます。駐車場、玄関アプローチ、門柱、フェンス、お庭。自転車が出てくるのは、この全部が決まったあとです。
ですから駐輪スペースは、設計されたものではなく「残ったところ」になります。家の裏の細い通路、カーポートの柱の横、玄関ポーチの階段の下。どれも、毎日出し入れするには少し無理のある場所です。
しかも自転車は、置いた瞬間から生活の動線の真ん中に居座ります。車は週末にしか動かさない方もいますが、自転車は毎朝です。ここがずれていると、毎日小さくストレスがたまります。
① 台数は「今」ではなく「5年後」で数える
打ち合わせで台数をうかがうと、ほとんどの方が今ある台数を答えられます。ですが自転車は、家族の中で確実に増えていくものです。
お子さんが小学校に上がれば1台。中学で通学用にもう1台。奥様が電動アシストに買い替えれば、前のものがしばらく残ります。減ることは、まずありません。
さらに、自転車は大きくなります。子ども用の小さな自転車は、数年で大人とほぼ同じ長さになる。同じ台数でも、必要な面積は増えていくということです。

「今2台やから2台分で」と言われて作った現場、数年後に呼ばれて拡げる工事をすること、けっこうあります。
ですので、台数を聞かれたらいま持っている台数ではなく、お子さんが中学生になったときの台数で答えてください。そこまで見て作っておけば、あとで足す工事は要りません。
② 置き場所は「玄関からの近さ」ではなく「道路からの入り方」で決める
ここが一番間違えやすいところです。
図面の上で場所を選ぶと、どうしても玄関に近いところを選んでしまいます。ですが実際に使うとき、自転車は玄関から出てくるのではありません。道路から押して入ってくるんです。
ですから確かめるのは、玄関までの距離ではなく、こちらです。
- 道路から置き場所まで、自転車に乗ったまま、または押したまま入れるか
- その途中に段差はないか(1段でも、毎日だと相当こたえます)
- 門扉を開けたとき、自転車を持ったまま通れる幅か
- 雨の日に、傘をさしたままそこまで行けるか
段差については、階段よりもスロープのほうが確実に楽です。ただしスロープは滑りやすい素材を選ぶと逆に危ないので、そこは玄関アプローチが滑る。素材別のすべりやすさと、あとからできる対策も見ておいてください。自転車を押しながらだと、人は転びやすくなります。
③ 車の横に置くなら、ドアが開くかを先に確かめる
一番多いのが、カーポートの下の空いたところに自転車を置くというやり方です。屋根があるので理屈は合っています。
ただし、そこに置いた状態で車のドアが開くかどうか。これを先に確かめてください。
車を停めたあと、ドアを開けて、人が降りて、荷物を持って通る。その動きの外側に自転車が収まっていないと、結局どちらかを毎回動かすことになります。そして必ず、自転車のほうが動かされます。

結局、自転車が車のミラーに当たってしまって…。子どもには「気をつけて」としか言えていません。
これは自転車の問題ではなく、駐車スペースの幅の問題です。車の幅の決め方そのものについては車を停めるとドアが開かない。駐車場の幅の決め方に書きましたので、駐輪スペースを車の横に取るつもりの方は、必ず先にこちらを読んでください。順番はこちらが先です。
④ 砂利の上に、自転車は置けません
意外と知られていないのがこれです。
「そこは砂利にしておきましょう」と決めた場所を、あとから駐輪スペースにしようとすると、うまくいきません。理由は3つあります。
- スタンドが沈む … 立てたつもりが、しばらくすると倒れています
- タイヤが取られる … 押して入るときに、まっすぐ進みません
- 砂利が散る … 毎日同じところを通るので、その筋だけ地面が出てきます
とくに電動アシスト自転車は、前にお子さんを乗せる形だとかなりの重さになります。柔らかい地面の上では、まず安定しません。
ですので駐輪スペースには、土間コンクリートか、それに準ずる固い舗装が要ります。ここはケチらないほうがいいところです。打った土間にひびが入ったときの考え方は土間コンクリートのひび割れは不良工事?直すべきかの判断基準にまとめていますので、あわせてどうぞ。
⑤ 屋根は「今つけるか」より「あとでつけられるか」
自転車に屋根が要るかどうかは、ご家庭によります。毎日通学で使うなら、あったほうがいい。たまに乗る程度なら、カバーで足りることもあります。
ただ、決めていただきたいのは「今つけるか」ではなく「あとでつけられる状態にしておくか」のほうです。
屋根は柱で支えます。柱は基礎で支えます。その基礎は、土間コンクリートを打つ前にしか入れられません。あとから「やっぱり屋根を」となると、せっかく打った土間を壊して掘ることになります。

「今は予算が厳しいので屋根は無しで」。それは全然かまいません。ただ「あとで屋根を足すかもしれないので、基礎だけ相談させてください」と、その一言だけ言っておいてくださいね!
物置を置いてその横を駐輪スペースにする、というやり方もよく採ります。ただし物置は、置く場所によって扉が開かなくなったり、雨の通り道になったりします。先に物置を置く前に確認する4つ。基礎・扉の向き・雨・建築確認を見ておくと、配置で迷いません。
⑥ 電動アシストなら、充電と盗難まで考える
電動アシスト自転車をお使いなら、置き場所を決めるときにもう2つ足してください。
バッテリーを外して、どこまで運ぶか
充電は室内でするご家庭がほとんどです。つまりバッテリーを持って、駐輪場から家の中まで歩くということになります。
これが家の裏をぐるっと回る動線だと、雨の日はかなりこたえます。置き場所を決めるときに、そこまで一度歩いてみてください。
鍵をかける先があるか
自転車の鍵は、自転車そのものにしか付いていません。持ち上げて運ばれてしまえば、それまでです。
ですので、道路から丸見えの場所に置くのであれば、動かせないものに鍵をかけられるかを確かめておくと安心です。柱でも、専用の金物でも構いません。工事のときであれば、こういうものは簡単に付けられます。あとからだと、また土間を触ることになります。
見積りのときに、この3つを聞いてください
最後に、打ち合わせでそのまま使える質問を3つ置いておきます。
- 「この図面で、自転車は何台置けますか?置いた絵を描いてもらえますか?」
口頭で「置けますよ」と言われても、絵にしてもらうと急に台数が減ることがあります。 - 「自転車を置いた状態で、車のドアは開きますか?」
これは図面の上で確かめられます。あとで気づくと、直しようがありません。 - 「あとから屋根を足す場合、基礎はどうなりますか?」
今つけなくてもいいんです。つけられる状態かどうかだけ、先に聞いておいてください。
この3つを聞かれた業者は、まず間違いなくきちんと考えます。聞かれなかったことは、図面に描かれません。そういうものだと思っておいてください。
まとめ
自転車は、外構の中では脇役です。カーポートや門柱のように、見た目を左右するものでもありません。
ですが毎日さわるのは、こちらのほうです。そして置き場所は、土間を打ってしまうと動かせません。
図面ができあがったら、車の絵の横に、鉛筆で自転車を描き込んでみてください。それだけで、足りているかどうかが見えてきますよ。
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