人工芝と天然芝、10年でいくら違う?計算のしかたを公開します

庭を芝生にしたい。ただ、人工芝と天然芝でずいぶん迷う——これも定番のご相談です。

人工芝のほうが最初は高いと聞きました。でも手入れが楽なら、結局そっちが得なんでしょうか?
「どちらが得か」は、ご家庭によって答えが変わります。金額だけでは決まりません。
この記事では、私が実際にお客様に説明している10年で比べるための計算のしかたをそのまま公開します。金額はご自宅の見積りを入れてください。それが一番正確です。

大事なのは、初期費用だけで比べないことです。芝は10年単位で見ないと、判断を間違えます。
10年で比べる計算式
紙に、この式を書いてください。
| 人工芝 | 天然芝 | |
|---|---|---|
| ① 初期費用 | 下地+防草シート+芝 | 下地+土壌改良+芝 |
| ② 年間の手入れ費用 | ほぼゼロ | 肥料・目土・水道代・道具 |
| ③ 年間の手間(時間) | 落ち葉掃除のみ | 芝刈り年10〜20回・水やり |
| ④ 10年目の状態 | 入れ替えの検討時期 | 手入れ次第で継続可能 |
| 10年合計 | ① + ④ | ① + ②×10 |
ここで多くの方が見落とすのが、④の「入れ替え」と③の「時間」です。
人工芝は「10年目にもう一度お金がかかる」
人工芝は、紫外線で少しずつ劣化します。色が抜け、繊維が寝て、硬くなる。
製品や日当たりによりますが、10年前後で入れ替えを検討する時期が来ます。このとき、下地と防草シートが生きていれば芝の張り替えだけで済みますが、下地からやり直しになると初期費用に近い金額がかかります。
つまり人工芝は、初期費用が2回分という前提で見ておくと間違いません。

剥がすときの手間も、実はけっこうかかります。全面に接着や固定ピンが入ってるので。
天然芝は「毎年、少しずつお金と時間がかかる」
天然芝の維持でかかるのは、この5つです。
- 芝刈り … 成長期は月2回。年10〜20回
- 水やり … 夏は毎日。水道代がかかります
- 肥料・目土 … 年数回
- 雑草取り … これが一番きついという方が多いです
- エアレーション … 数年に一度、土に穴を開ける作業
お金だけならたいした額になりません。問題は時間です。
芝刈り1回に1時間として、年15回なら年間15時間。10年で150時間です。これを「趣味の時間」と思えるかどうかが、実は最大の分かれ目です。

休みの日に庭で芝を刈ってる時間が好き、という方には天然芝が絶対いいです。逆に「やらなきゃ」になると、けっこうつらいです。
お金以外の、実際の使い勝手
夏の暑さ
人工芝は表面がかなり熱くなります。裸足やペットの肉球には厳しい日があります。天然芝は蒸散があるぶん、表面温度は上がりにくいです。
水はけ
どちらも下地で決まります。人工芝は水抜き穴があっても、下が固い土のままなら水たまりができます。「人工芝だから水はけがいい」は誤解です。
虫と雑草
人工芝+防草シートで、雑草はかなり減ります。ただしゼロにはなりません。継ぎ目や端から出てきます。
犬・子ども
人工芝は掘り返されない、泥がつかない、というメリットがあります。一方で、粗相のあとは水で流せる排水計画が必要です。
どちらを選んでも、失敗する原因は「下地」です
ここが本題かもしれません。
人工芝でも天然芝でも、数年で駄目になる現場は、ほぼ全部が下地の問題です。
- 転圧が甘くて、あとから凸凹になる
- 水勾配がなくて、水たまりができる
- 防草シートの重ねが足りず、隙間から雑草が出る
- 土壌が固すぎて、天然芝の根が張らない
見積りを比べるときは、芝の商品名ではなく下地に何をいくら入れているかを見てください。ここが安い会社は、必ず数年後に問題が出ます。

芝は「上に何を敷くか」より「下に何を作るか」です。ここだけは削らないでください。
選び方のまとめ
人工芝が向いている方
- 手入れの時間を取れない・取りたくない
- 日当たりが悪く、天然芝が育ちにくい
- いつでも見た目を一定に保ちたい
天然芝が向いている方
- 庭仕事そのものが好き
- 夏に裸足で歩きたい、子どもを遊ばせたい
- 10年後に張り替え費用をかけたくない
迷ったら、「10年間、年15時間の作業を続けられるか」で決めてください。金額よりこちらのほうが、後悔しない判断基準です。
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