元請けへのマージンと紹介料。いくら抜かれているのか知らないまま受けていないか

外構工事の現場では「元請けにいくら抜かれているか」を、下請け側がはっきり把握できないまま仕事を受けていることがよくあります。今日は、この中間マージンと紹介料がどこでどう発生し、下請けとしてどう向き合えばいいのかを、現場で見てきたことをもとに書きます。
元請けのマージンは、なぜ「見えない」のか
外構・エクステリア業界では、元請けが受けた工事の一部を下請けに発注する際、資材費や施工費に一定の中間マージンを乗せて発注額を決めるのが一般的です。これ自体は、元請けが営業・現場管理・保証対応などのコストを負っている以上、当然の商習慣といえます。問題は、その中身が下請け側に開示されないまま「この金額でお願いします」とだけ伝えられることが多い点です。

元請けにマージンを乗せられるのって、うちが悪い条件で仕事を受けてるってことですか?

そうとは限りません。元請けにも元請けの役割とコストがあります。問題はマージンの有無ではなく、それが見えないまま金額だけで判断させられることです。
マージンが厚いと、現場に何が起きるか
下請けに落ちる金額が薄くなるほど、現場でしわ寄せを受けるのは職人の日当と、材料や工程にかけられる時間です。急な工期短縮や、本来必要な下地処理を省略する判断は、たいてい「この金額では割に合わない」という現場の感覚から生まれます。職人が辞める会社と辞めない会社の違いも、突き詰めるとこの「割に合うかどうか」の感覚に行き着くことが多いです。

若い頃、元請けの言い値で受けて、現場で帳尻を合わせるしかなかった時期がありました。手を抜いたつもりはなくても、余裕がない現場は仕上がりに出るものです。
紹介料が乗る場面、乗らない場面
マージンとは別に、案件を紹介してもらった際の紹介料が発生することもあります。元請けから直接発注される工事と、代理店や仲介業者を経由して紹介される工事とでは、乗ってくる費用の性質が違います。前者は元請けの管理コストに近く、後者は紹介という行為そのものへの対価です。元請から値切られたときに出す1枚の資料と同じように、まずは自社の受注経路ごとにどちらの費用が乗っているかを分けて考えると、どこを交渉できるかが見えてきます。
自社がいくら乗せられているかを知る方法
まず必要なのは、感覚ではなく記録です。見積書に材料費・施工費の内訳が書かれている場合は、自社が把握している仕入れ価格や労務単価と突き合わせてみます。内訳が出ない場合でも、案件ごとに「受注額」「実際にかかった原価」「残った利益」を記録しておけば、外構工事は儲かるのに、なぜ手元に残らないのかで書いたような、案件の性質ごとの利益率の傾向が見えてきます。

うちも最初は感覚でやっていましたが、案件ごとに数字を残すようにしてから、どの元請けの仕事が本当に儲かっているかがはっきり分かるようになりました。
マージンを圧縮できる場面、できない場面
中間マージンをゼロにすることは現実的ではありません。ただ、実績を積んで元請けとの信頼関係ができてくると、発注の条件を相談できる余地は生まれます。逆に、初めて取引する元請けや、単発の紹介案件では、条件交渉より先に「この条件でも自社の利益が残るか」を数字で確認することの方が重要です。協力業者との単価交渉、切り出し方と引き際にも通じますが、交渉できるかどうかより先に、乗せられている金額を知っているかどうかが分かれ目になります。
この記事のまとめ
- 元請けのマージンや紹介料は、発生すること自体が問題ではなく、内容が見えないまま金額だけで判断させられることが問題
- マージンが厚いと、しわ寄せは職人の日当と工程にかけられる時間に出る
- 直接発注のマージンと紹介案件の紹介料は性質が違う。受注経路ごとに分けて考える
- 感覚ではなく、案件ごとの受注額・原価・利益を記録することが交渉の土台になる
こうした受注額と原価の差は、案件ごとにきちんと記録を残しておかないと、あとから振り返っても思い出せません。日報を入力するだけで現場ごとの原価と粗利が自動で残る仕組みを使っている会社もあります。
現場の数字について
その現場、いくら残ったか言えますか。
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