見積りの提出が2週間先の会社はなぜ負けるのか

現場を見てもらって、話も盛り上がって、あとは見積書が届くのを待つだけ。なのに1週間経っても2週間経っても届かない。そういう会社が選ばれない理由は、金額を比較される前に「待たせたこと」そのものです。今日はこの話をします。
「丁寧に作っている」は言い訳にならない
見積りに時間をかける会社ほど「丁寧に作っているので時間がかかる」と言います。ですが施主側から見える景色はそうではありません。連絡がないまま日数だけが過ぎていくと、真っ先に浮かぶのは「この業者、大丈夫かな」という不安です。金額を比較される前に、信頼で足切りされています。

でも急いで出して間違えるより、ちゃんと確認してから出したほうがいいんじゃないですか?

間違えるかどうかとスピードは、別の話です。遅い会社の多くは、丁寧なんじゃなくて仕組みがないだけです。
遅れる会社に共通する3つ
見積り提出が遅い会社を見ていると、理由はだいたい同じところに集約されます。
- 単価をその都度メーカーサイトやカタログで調べ直している。毎回ゼロから積算している
- 見積り作成が特定の1人に集中していて、その人の手が空くまで着手できない
- 現場を見たあと「一度持ち帰って検討します」を何度も挟み、社内の承認だけで日数が経つ

昔の自分がまさにこれでした。丁寧に作っているつもりで、実際は他の現場の合間に少しずつ進めているだけだったんです。
早い会社がやっている3つのこと
- よく出る費目の単価をあらかじめマスタ化していて、その場で調べ直す時間がない
- 現場調査の当日か翌日に、確定額ではなく概算のレンジだけでも一次回答を出す
- 全部を仕上げてから出すのではなく、選べる範囲を絞った叩き台を先に渡し、そこから詰める
このやり方の狙いは、正確さを犠牲にすることではありません。見積りが遅い会社は、なぜ利益も薄いのかでも書きましたが、遅い会社は見積り作成にかかる時間そのものが原価を押し上げています。速さと粗利は、同じ根っこの問題です。
最初の一報は、見積書じゃなくてもいい
見積書そのものが完成していなくても、先に伝えられることはあります。現場を見た当日か翌日に「だいたいこのくらいの範囲になりそうです」「今週中には数字を詰めてお渡しします」と一言連絡するだけで、施主が感じる印象はまったく変わります。待たされている実感がなくなるからです。

電話1本、LINE1本でいいんです。「進んでますよ」が伝わるだけで、お客さんの気持ちはだいぶ楽になります。
これは営業テクニックの話ではありません。見積書という完成品を待たせるのではなく、進捗を小刻みに渡すという発想の転換です。社内の作業フローを変えなくても、今日から始められます。
比較の土俵に乗れるかどうかが先に決まる
施主は複数社に声をかけていることがほとんどです。先に届いた1社の見積りが「検討の基準」になり、あとから出す会社はその基準より高いか安いかで見られます。逆に自分たちが最初に出せれば、金額の物差しを自分たちが作ることになります。元請から値切られたときに出す1枚の資料で書いた「根拠を先に見せる」考え方も、結局は先に土俵へ上がった側が強いという同じ理屈です。
単価を整えることと、出すタイミングを整えることは、粗利を守るための同じ取り組みです。外構業の粗利率、いくらあれば会社が回るかで書いた必要粗利率の話も、まず選ばれなければ計算のしようがありません。

見積りの精度を上げる努力と、早く出す努力は、両方できます。どちらかを諦める必要はありません。
この記事のまとめ
- 見積りが遅いと、金額を比較される前に信頼で選ばれなくなる
- 遅れる会社は単価を毎回調べ直し、担当者1人に作業が集中し、社内承認に日数がかかる
- 早い会社は単価をマスタ化し、現場調査の翌日までに概算の一次回答を出し、叩き台から詰める
- 速さは粗利にも直結する。丁寧さとスピードはトレードオフではなく仕組みの問題
現場の数字について
その現場、いくら残ったか言えますか。
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