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誰にも真似できない職人技、その技をどう次に繋ぐか

外構社長
外構社長 @gaikou_nomiss 2026年9月23日
乱形石貼

うちの近くに、乱形石を貼らせたら右に出る者がいない石屋さんがいる。同じ材料を渡しても、他の職人が貼ると仕上がりの表情がまったく違う。正直に言うと「これは真似できない」と思った。今日はこの「あの人にしかできない仕事」を、会社としてどう次に繋ぐかという話です。

この石屋さんも、もう若くない。あと何年頼めるかを考えると、他人事じゃないなと思った。

「あの人にしかできない」は、どの会社にも必ずある

石貼りに限った話ではありません。ブロック積みの目地の通し方、フェンスの柱の垂直の出し方、土間の仕上げのコテの入れ方。現場を見ていると「この人がやると仕上がりが違う」という職人が、どの会社にも一人はいます。ブロック塀の天端を水平に均す作業ひとつとっても、経験年数より「その日の気温と乾き具合を読む感覚」がものを言います。マニュアル化できる部分とできない部分がはっきり分かれるのが、この仕事の面白いところであり、難しいところでもあります。問題は、その差が会社の資産として管理されていないことです。辞めて初めて、その価値の大きさに気づく会社がほとんどです。

俺らの世代は、現場で見て盗めって育ってきた。ただ今の若い子に同じやり方を求めるのは、正直厳しいと思う。

見て盗めと言われても、何を見ればいいのか分からないです。教えてもらえないなら、どう覚えたらいいんですか。

技術は「見えない資産」。数字に出ない分、消えても気づきにくい

厄介なのは、この技術の差が売上や粗利といった数字に直接は出てこないことです。外構業の粗利率、いくらあれば会社が回るかで書いたとおり、粗利は人数と単価の掛け算で見えますが、「その職人にしか出せない仕上がり」は帳簿のどこにも載りません。載らないから、職人が辞める会社と辞めない会社の差にも気づきにくくなります。数字に出ないものは、経営会議の議題にも上がりません。だからこそ、意識して取り上げないと、技術の話は現場任せのまま放置されます。

GAIQO現場の記録を、技術継承の入り口にする

うちが最近やっているのは、現場の日報に「今日、誰が何をどう仕上げたか」を写真付きで残すことです。日報が続かない現場、続く現場で書いたとおり、日報は書かせ方次第で続きます。技術継承のための日報は、反省文にしないことが大事です。うまくいった手順だけを、写真とひとことで残す。まずはそれだけで十分だと思っています。

撮るのは完成写真だけでなく、作業の途中経過です。乱形石なら、石を仮並べした段階の写真が一番参考になります。仕上がった写真だけでは、どの順番で石を選んで置いたのかが分かりません。途中の1枚があるだけで、あとから見た若手が「なぜこの並びにしたのか」を考えるきっかけになります。

ベテランは自分の技を特別なことだと思っていないから、聞かれないと話さない。写真に撮って残しておくだけで、あとから見返せるのが大きい。

新しく入った若手に、何から教えるか

うちでは最初の3ヶ月は「型」だけを教えます。道具の持ち方、材料の量り方、段取りの順番。理由はあとから教えます。型が先に入っていないと、「なぜそうするか」を説明されても体が動かないからです。型が身についてきたところで、初めて「なぜこの手順なのか」「なぜこの角度なのか」を教える。順番を逆にすると、頭で分かっても手が追いつかない状態が長く続きます。

継承を「仕組み」にする。気合いや根性に頼らない

技術継承を若手のやる気任せにすると、うまくいきません。うちでやっているのは3つです。

  • ベテランと若手を必ずペアで現場に出す。教える側にも手当を付ける
  • 技術を評価に反映する。職人の給料を上げた会社が、次にやったことで書いたように、給料を上げるだけでは終わりません。何ができるようになったら上がるのかを明確にします
  • 量産できない技術を、無理に量産しようとしない。全員に同じレベルを求めず、「この人にしか頼めない現場」を作ってもいいと割り切る

技を残せる会社と、残せない会社の分かれ目

分かれ目は、経営者が技術の差を気合いの問題で片づけるかどうかだと思っています。気合いで片づけると、その職人が辞めた瞬間にゼロに戻ります。仕組みにしておけば、100%は残らなくても、次の世代に何割かは渡せます。うちの近くの石屋さんの技を、うちの会社では残せませんでした。だからこそ、うちにいる職人の技は、辞める前に会社の資産にしておきたいと思っています。

技術は、辞めた瞬間に一番大きな損失として姿を現します。辞める前に気づくか、辞めたあとに気づくか。その差だけで、次の世代に渡せるものの量がまったく変わってきます。

現場の数字について

その現場、いくら残ったか言えますか。

日報を入力するだけで、勤怠も給与も、現場ごとの原価と利益まで自動で集計。外構・エクステリアの現場に特化した現場管理システムです。

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