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業界の裏側

価格競争でカーポートの基礎が手抜きされる業界構造。安さだけで受注を取ると何が起きるか

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外構社長 @gaikou_nomiss 2026年10月12日
「価格」

「カーポート1台用、どこよりも安くします」という見積もりの裏側

うちにも元請けさんや施主さんから「他社の方がかなり安かったんですが、同じ工事でそんなに差が出るものですか」という相談がよく来ます。ネット通販やカーポート専門店の価格競争が進んで、同じメーカー・同じ型の商品でも、取付費込みの見積もりに数万円どころではない差が出ることが普通になりました。外構工事に20年近く関わってきて感じるのは、この差額の出どころのほとんどが「施工が終われば誰にも見えなくなる部分」だということです。その代表がカーポートの基礎です。

安いのは、ただ人件費や経費を削っているだけじゃないんですか?

それもある。でも一番削りやすいのは、完成したら施主にも元請けにも見えない部分なんよ。基礎はコンクリートを流して埋めてしまえば、現場を見ていない人には中がどうなっているか分からない。手を抜いても、その場では誰にも気づかれない。

基礎を削って一番損をするのは、削った会社自身

基礎を削っても、施工直後は何も起こりません。問題が出るのは数年後、強風や経年でカーポートが傾いたり、支柱が動いたりしてからです。そこで初めてクレームになり、保証対応や再工事が発生します。そのコストはすべて、最初に安く受けた会社が負うことになります。目の前の受注を取るために削った利益は、数年後に何倍ものコストになって戻ってきます。これはカーポートを注文したあとの最後の落とし穴は「配管」でも触れた話と根は同じで、「取り付けて終わり」ではない工事ほど、後からのしわ寄せが大きくなります。

うちも昔、基礎の深さや太さを現場判断で削ってしまう職人を抱えていた時期がある。半年くらいして「カーポートが斜めになった」と連絡が来て、結局その工事で出た利益を全部吐き出した。しかもお客さんの信用も一緒に失った。

うちが元請けさんから見積もりの差を聞かれたときに必ず確認してもらうのは、基礎の仕様が見積書に別項目として書かれているかどうかです。基礎の掘削・配筋・コンクリートの仕様が「取付費一式」にまとめて埋め込まれている見積もりは、どこかで調整できる余白として扱われている可能性があります。逆に、基礎だけを別項目として明記している会社は、そこを削る発想を最初から持っていません。安いか高いかだけで比べるのではなく、見積書のどこに基礎が書かれているかを見るのが、現場では一番分かりやすい判断材料になります。

値切られたときに、何を削って何を削らないかを決めておく

価格競争そのものを止めることはできません。だからこそ、元請けや施主から値引きを求められたときに、どこなら応じられて、どこは応じられないのかを自分の中で先に決めておくことが大事です。うちの基準はシンプルで、工期の調整や仕様の見直しで対応できる部分は交渉の余地があるが、基礎のように一度埋めてしまえば直せない部分は絶対に削らない、というあのです。元請から値切られたときに出す1枚の資料も、この線引きを言葉と数字で説明できるようにするための道具として使っています。値切られて困るのは、応じていい範囲を自分でも分かっていないときです。

協力業者との単価交渉でも同じことが起きます。安い単価を飲んでしまえば、その分の無理をどこかで職人がしわ寄せとして受けることになり、結局は見えない工程の品質が落ちます。協力業者との単価交渉、切り出し方と引き際で書いたとおり、単価は一方的に下げさせるものではなく、下げてもらう代わりに何を変えるかをセットで考えるものです。

価格競争に最後まで残るのは、安い会社ではなく数字を把握している会社

値引き合戦の中で生き残っているのは、一番安く出した会社ではなく、自社の工事ごとの原価を銊握していて、どこまでなら値引きしても利益が残るかを数字で判断できる会社です。感覚で「このくらいなら大丈夫」と受けている会社ほど、見えない部分にしわ寄せが行きやすくなります。

結局、安く受けるかどうかより、自分の会社の数字を知っているかどうかって話ですね。

そう。工事ごとの原価と利益が見えていれば、値引きに応じていい範囲も、断るべき境界線も、現場ですぐに判断できる。見えていないから、その場の雰囲気で受けてしまって、後で基礎のような見えない部分を削る以外に選択肢がなくなる。順番が逆なんよ。

価格競争そのものから逃げることはできませんが、何を根拠に値引きするかを決める土台は、感覚ではなく工事ごとの数字です。日報と原価を日常的に記録する仕組みがあるかどうかで、同じ価格競争の中でも削る場所の選び方が変わってきます。

現場の数字について

その現場、いくら残ったか言えますか。

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