タイルへのコア抜き作業、急がず丁寧に進めるべき理由

リフォームの現場が増えてきて、あらためて思うことがある。「コア抜き」という工程は、仕上がりの派手さがない分、どうしても軽く見られがちだ。でもここでの一瞬の判断が、そのあとの補修コストと、お客様からの信頼を大きく左右する。
フェンスの建て替えや手すりの取り付けで、コア抜きは避けて通れない
最近は新築だけでなく、フェンスの建て替えや手すりの追加といったリフォームの依頼が増えている。既存の土間やタイルの上に新しく柱を立てたり、金具を固定したりする場面では、どうしても穴をあける「コア抜き」という工程が必要になる。

最近リフォームの現場、ほんまに増えてますね。フェンスの建て替えとか、手すりの追加とか。
一番の勝負どころは、刃先がタイルに触れる瞬間
コア抜きそのものは、コンクリートや土間が相手ならそれほど大きな失敗にはならない。だが相手がタイルになった瞬間、話は変わる。刃先がタイルの表面に触れる最初の数秒、ここで力を入れすぎると表面が欠ける。欠けたタイルは、同じ色・同じ質感での補修がほぼ不可能に近い。

刃先がタイルに当たった瞬間だけは、どれだけ急いでる現場でも手元を緩めへん。そこだけはゆっくりでええ。

もし欠けてしまったら、どうやっで直すんですか?

正直、完全に元通りにはできひん。色粉を混ぜたモルタルで色を寄せるか、仕上げに塗装を重ねるか。どっちも応急処置の域を出ひんから、欠けさせへん判断の方が百倍大事や。
刃の状態を見ない職人は、技術より先に姿勢で負ける
コアの刃は使い込むほど、先端のチップが減っていく。切れ味の落ちた刃を無理に使い続けると、よけいな力がかかって欠けやすくなるだけでなく、刃が暴れてケガにつながることもある。道具の状態を日頃から点検しているかどうかは、見積書には出てこないが、仕事の質にはそのまま出る。

道具を大事にする人は、現場も大事にするからね〜。
この失敗は、見積りにも工期にも現れない
タイルが欠けたときの本当のコストは、補修材の数百円ではない。もう一度現場に行って、色を合わせて、乾燥を待って、仕上がりり確認して、それでも「前とは違う」とお客様に伝わってしまう。工期は延び、こちらの持ち出しになり、何より「次も頼みたい」という気持ちを削ってしまう。見積書にも工程表にも載らないこのコストこそ、現場を預かる立場として一番気にしておきたいところだ。
この工程の進め方で、協力業者の技量が見える
コア抜きの速さだけを評価基準にすると、あとで痛い目を見る。むしろ見るべきは、タイル面に当たる瞬間にきちんと速度を落としているか、刃の状態をこまめに確認しているか、万一欠けたときの説明と対応を事前に現場で共有できているか、という所作の部分だ。自分でどこまでやって、どこから職人に任せるかの線引きと同じで、任せる相手の技術を見分ける物差しは、こうした現場の小さな所作に表れる。
品質チェックは「仕上がった後」だけでは遅い
大判タイルの施工では天端・空洞・水平垂直・目地の均一性のチェックが欠かせないが、コア抜きのような下地側の工程は、仕上がってからでは手遅れになりやすい。工程の途中、まさに刃先がタイルに触れる瞬間にこそ、管理の目を向ける必要がある。
何年経っても手を抜かない人を、どう見分けるか
何年経っても手を抜かない拘りを持ち続けられる職人には共通点がある。コア抜きのような地味な工程でも、刃の摩耗を気にし、タイルに当たる瞬間だけは手を緩める。その姿勢があるかどうかを見ておくと、後々の補修費用やお客様からのクレームを減らせる。
まとめ
コア抜きは、派手さのない地味な工程だからこそ、職人の姿勢がそのまま出る。刃先がタイルに触れる瞬間の速度、刃の状態への気配り、欠けたときの説明の誠実さ。この3つを見ておけば、協力業者の技量を見誤ることはぐっと減る。現場の小さな所作まで記録と共有ができる仕組みを持つかどうかが、この先の差になる。
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