仕上がりが綺麗な職人に共通する、養生と下地への向き合い方

うちの現場でも、塗装やブロック積みの仕上げを任せている職人さんが何人かいる。同じ材料、同じ工程を踏んでいるはずなのに、仕上がりの綺麗さには毎回はっきり差が出る。何年も現場を見てきて、その差がどこから生まれるのか、ようやく言葉にできるようになったので書いておく。新しく職人さんに仕事を頼むとき、技術の高さだけで判断して後悔したことがある人には、特に読んでほしい内容だ。

今日は「仕上がりが綺麗な職人」に共通するポイントを、現場で見てきた基準でまとめます。
見た目が綺麗な仕事と、ただ綺麗に見える仕事は違う
仕上がりを写真で見るだけなら、どの職人の仕事も一見きれいに見える。差が出るのは、作業の「前」と「途中」にある判断だ。塗装の色の均一さや目地の揃え方は、経験のある職人ならだいたい揃ってくる。本当の差は、その手前の段取りにある。写真1枚の仕上がりで判断してしまうと、本当に仕事を任せていい職人かどうかを見誤る。

見た目が揃っていれば、それでいいんじゃないですか?

揃ってるんは結果だけや。結果に行くまでの段取りを見んと、その職人が次の現場でも同じ結果を出せるかは分からへん。
養生テクニックで仕事の丁寧さが分かる
塗装やコンクリートの仕上げで一番差が出るのは、作業前の養生だ。周りの部材や隣接する面を汚さないようにテープやシートで保護する作業で、仕上がりそのものには映らない。だからこそ、ここを丁寧にやる職人かどうかで、その後の仕事ぶりがだいたい予測できる。養生に時間をかけるのを嫌う職人は、後の手直しや清掃で結局同じかそれ以上の時間を使っていることが多い。急いでいる現場ほど、この養生を省略したがる職人が出てくるので、うちは工程を組むときにあらかじめ養生の時間を見込んでおくようにしている。

養生テープの貼り方だけで「あ、この人は丁寧やな」って分かること、ほんまによくあります。
下地に不満があるときに、無理に進めない判断ができるか
もう一つの基準は、下地の状態に納得できないときに、その場で作業を止められるかどうかだ。下地が荒れていたり水分が残っていたりする状態のまま上から仕上げてしまえば、見た目は一時的に綺麗になる。だが数ヶ月後に剥れや浮きが出て、結局うちが呼ばれてやり直すことになる。下地への不満を黙って飲み込んで作業を進める職人と、一度手を止めて相談してくる職人とでは、数年後の仕上がりの耐久性がまるで違う。この相談ができるかどうかは、技術より経験と自信の問題だと感じている。

下地を飛ばして綺麗に仕上げるんは、一時的な綺麗さを売ってるだけや。うちはそれを評価したらあかん。
後片付けまで含めて、仕事の丁寧さを見る
作業後の後片付けを自分の家並みに徹底する職人は、やはり仕事全体の丁寧さにつながっている。片付けと技術は別物のように思えるが、現場で長く見ていると、両方が揃っている職人の方が圧倒的に多い。片付けが雑な現場は、だいたい養生や下地の判断も雑になっている。初めて一緒に仕事をする職人を評価するときは、腕そのものより先に、この片付けを見るようにしている。
新しく付き合う職人は、どこで見極めるか
取引のない職人に初めて仕事を頼むときは、小さい現場から試すようにしている。大きい現場で初めて組んで失敗すると、やり直しのコストも信頼のコストも大きくなるからだ。小さい現場でも、養生・下地への向き合い方・片付けの3点は必ず出る。ここで雑さが見えた職人には、次の現場を任せない。逆にこの3点が揃っている職人には、多少単価が高くても継続して仕事を頼むようにしている。
会社として、この基準をどう仕組みにするか
問題は、こうした「養生」「下地判断」「片付け」をどう評価に落とし込むかだ。感覚で「いい仕事をする職人」と言っているだけでは、新しく入ってくる職人にも、現場を見ていない事務スタッフにも基準を伝えられない。うちでは現場の写真と日報を残す運用に変えてから、この3つのポイントを後から振り返って確認できるようになった。GAIQO GENBAのような現場管理のツールを使えば、この振り返りを特定の人の感覚に頼らずに、会社として積み重ねていける。技の継承については誰にも真似できない職人技、その技をどう次に繋ぐか、仕事への拘りについては何年経っても手を抜かない拘り、その理由でも書いたので、合わせて読んでほしい。「これで完璧」と思わない姿勢は外構職人にとって一番大切なものは何かにも書いている。
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