外構職人にとって一番大切なものは何か

採用面接や若手との面談で、必ずと言っていいほど聞かれる質問がある。「外構職人にとって一番大切なものって何ですか」。技術か、道具か、それとも稼ぎか。答えを一言で欲しがる若手は多いが、現場を20年近く見てきて思うのは、ひとつに絞った時点で長続きしないということだ。

社長、外構職人にとって一番大切なものって何ですか?技術ですか、道具ですか?

正直、ひとつには絞れへんな。技術、道具、仲間や家族、お金、健康。この5つのバランスが崩れた瞬間から、仕事の質は落ちていく。
技術と道具だけでは続かない
技術と道具は分かりやすいので、若手はまずそこを揃えようとする。もちろん大事だが、技術だけ突き抜けていても、体調を崩せば現場には立てないし、家族の理解がなければ休日出勤が続く現場から人は離れていく。技術は「今日いい仕事ができるか」を決める要素で、残り4つは「この仕事を何年続けられるか」を決める要素だと分けて考えている。
現場で見ている5つの判断基準
技術・コツ
同じ図面を渡しても、納まりの綺麗さや段取りの速さに差が出る。ただしこれは経験年数だけでは測れない。先輩の段取りを見て自分のやり方を毎回少し変えられる人は伸びるし、去年と同じやり方を繰り返す人はどこかで頭打ちになる。
道具
道具の手入れを見れば、その人が仕事にどれだけ向き合っているかが分かる。刃こぼれしたブレードを使い続ける人と、朝一番に道具を並べて点検する人とでは、仕上がりの精度も現場での怪我の確率も変わってくる。

わしは若い頃、親方に「道具を見ればその日の仕事が分かる」と言われた。今でもそれは変わらんと思うで。
仲間・家族
現場は一人では回らない。段取りの良し悪しは結局チームワークで決まる。そしてもうひとつ、家族の理解がない状態で繁忙期の休日出勤が続くと、どれだけ腕が良くても長くは続かない。ここを軽く見て人が辞めていく会社を何社も見てきた。
お金
稼ぎの話をタブー視する現場はうまくいかない。今の仕事量に見合った対価が払われているか、繁忙期の負担が給与や休みにちゃんと反映されているか。ここを濁したまま「技術と気持ちで頑張れ」と言っても、いずれ限界が来る。
健康

夏場の現場は特にな。水分補給とか休憩のタイミングとか、口うるさく言うようにしとる。倒れたら元も子もない。
外構の仕事は体が資本だ。無理な姿勢での作業や真夏の炎天下での連続作業は、若いうちは乗り切れても確実に体に負債として残る。健康を後回しにする働き方は、長い目で見ると会社にとっても損失になる。
面接で必ず聞いていること
採用面接では技術のことより先に、家族の状況や休みの希望を聞くようにしている。ここを最初に確認しておかないと、入社後に一番揉める。逆に、健康管理や道具の手入れについて自分から話す人は、長く続く傾向が強い。面接の場で技術をアピールしてくる人より、この5つのバランスをすでに意識している人のほうが、うちでは評価が高い。
バランスが崩れると現場に何が起きるか
この5つのどれかが欠けたときに起きることは、だいたい共通している。技術と道具はあるのに仲間や家族との折り合いが悪ければ、優秀な人からすっと辞めていく。職人が辞める会社と辞めない会社で書いた通り、辞めていく人ほど普段は不満を言わない。お金の不透明さを放置すれば、若手は数字が見える同業他社に流れる。健康を後回しにする現場文化は、事故やミスという形で必ず跳ね返ってくる。
会社としてできること
経営側にできるのは、この5つを精神論で終わらせず、見える形にすることだと思っている。誰がどれだけ働いて、どれだけの粗利が出て、その負担が給料に反映されているか。日報が続かない現場、続く現場でも触れたが、記録を取る文化がある現場ほど、無理な働き方に会社側が早く気づける。何年経っても手を抜かない拘りを持つ職人を長く抱えたいなら、その拘りに見合う環境をこちらが用意する番だ。稼働と原価が見える化されていれば、繁忙期に誰が無理をしているかも、粗利がどこに残っているかも一目で分かる。感覚で「大丈夫だろう」と流さない仕組みを持つことが、結局は5つのバランスを守る一番の近道になる。
現場の数字について
その現場、いくら残ったか言えますか。
日報を入力するだけで、勤怠も給与も、現場ごとの原価と利益まで自動で集計。外構・エクステリアの現場に特化した現場管理システムです。
まとめ
技術、道具、仲間・家族、お金、健康。どれかひとつが飛び抜けていても、他が崩れていれば長くは続かない。若手に「一番大切なものは何か」と聞かれたら、これからもきっと同じように答える。全部やと。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。今後もためになる記事を書いていきます!励みになりますのでコメントもお願いします!