一発で高さが決まる瞬間。外構職人が一番気持ちいい仕事

「ピッ」という音が鳴った瞬間が、現場で一番気持ちいい
外構の現場には、思うように進まないことや、先が見えない不安がいくつもあります。雨で工程がずれる、資材の到着が遅れる、お客様の希望と現場の条件がかみ合わない。正直、気持ちよりストレスのほうが多い仕事だと思っています。
それでも現場に出続けていられるのは、数は少なくても確実に満たされる瞬間があるからです。そのひとつが、レーザーレベルの受光器が鳴らす「ピッ」という音です。狙った高さにぴたりと合ったときのあの音は、何年やっても気持ちがいいものです。

社長、現場で一番気持ちいい瞬間ってどこですか。

一発で高さが決まった瞬間やな。レベルの音が狙った位置でピタッと鳴ると、それだけで朝からの疲れが少し飛ぶ。
高さを出す作業は、全工程の土台になる
土間、ブロック、フェンス、カーポート。外構のほとんどの工種は、最初に出す基準高さの上に積み上がっていきます。この基準がわずかにズレていると、あとの工程すべてに響きます。土間を打ってから「ブロックの天端が合わない」と気づいても、もう直せません。
基準高さを測ること自体は、自動整準タイプのレーザーレベルという機械がやってくれます。ただ、どこを基準点にするか、どちらに勾配を流すか、建物のどこを拾うかを決めるのは人です。機械は正確さをくれますが、どこで測るかという判断は経験でしか埋まりません。既存の桝やGL、隣地の塀の天端など、現場ごとに頼れる基準は違います。

若い頃は何回も出し直した。基準点を間違えて、半分進んでから気づくのが一番つらい。
一発で決まらないと、何が起きるか
高さが一発で決まらないと起きることは、単純に「もう一度測る」だけでは済みません。測り直している間、他の職人の手が止まります。掘削のタイミングがずれ、生コン車の到着時間とも噛み合わなくなります。半日の遅れが、その日入っている人工すべてに波及することも珍しくありません。

現場が止まると、誰も得しない。段取りが崩れると、次の現場にもしわ寄せがいく。
うちでは、現場ごとにどこで時間がかかったかをGAIQO GENBAの日報に残すようにしています。「測り直しで30分かかった」というような小さなロスも、積み重なると月単位では無視できない数字になります。感覚だけで「今日は大変だった」で終わらせず、どこで止まったかを記録に残すと、次の現場で同じところでつまずきにくくなります(日報が続かない現場、続く現場も参考にしてください)。
この技術は、何年あれば身につくのか
正直に言うと、何年あれば一発で決まるようになるかは人によります。機械の操作自体は数日で覚えられますが、「現場のどこを基準にすれば後工程がやりやすいか」を読む力は、現場数をこなして初めて体に入ってきます。うちの若手には、最初は必ずベテランと組ませて、同じ現場で何度も基準出しをやらせるようにしています。
一人でやらせて失敗させるより、隣で見せて理由を説明しながらやらせたほうが、結果的に早く身につきます。誰にも真似できない職人技、その技をどう次に繋ぐかでも書きましたが、技術は見て盗むものではなく、意図的に渡すものだと考えています。
まとめ
外構の仕事は地味な作業の積み重ねで、派手な達成感はあまりありません。だからこそ、レベルの音がぴたりと鳴る瞬間のような小さな手応えを、現場に出る職人は大事にしています。材料のロスは、どこで出ているかで書いた現場の小さなロスも、基準出しのやり直しも、根っこは同じです。どこで時間と材料が消えているかを見える化できているかどうかが、現場の利益を左右します。
現場の数字について
その現場、いくら残ったか言えますか。
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