値段で決める人は失敗する
外構工事の際に必ず提示される見積書。
色々と細かく書いてありますが、内容を本当に理解できていますか?
ついつい、最終の金額だけ見て、判断していないでしょうか?
今回は、本来知らなければいけない見積書の内容について書いていきます。
それでは今日もやっていきましょう!
見積書を理解する
外構工事の見積書というのは、かなりややこしく書いてあります。
それまで建設業に携わったことのない人からすると、それまで聞いたことの無いような言葉のオンパレードになっているので、内容が理解できなくて当然です。
しかも、これといった決まった書式があるわけでもないので、同じ工事内容でも、見積もりを作成する業者によって、全く違う書式の見積書になります。
失敗しないように複数社から相見積もりを取ったとしても、内容を理解する事ができず、なんだか良くわからないけれどとりあえず安い方を選んでしまった。なんてこともあると思います。
しかし、冷静に考えてみてください。
内容が理解できていない状態で、大きなお金が動く契約をしてしまって本当に大丈夫ですか?
完成してから
この部分はこうなると思っていた!!!!
なんてクレームをつけても、時既に遅し。業者さんによってはまともに相手もしてもらえませんよ。
自分自身を守るためにも、必ず見積書の明細は理解できるようにしておきましょう!
さて今回はその中でも重要な2つのポイントをお教えします!
- 二重見積もりが無いか確認
- 施工要領を書面で提示してもらう
この2つのポイント
当たり前のことだから確認しなくていいよね。
と思いがちな部分なので、見落とさないように注意しましょう。
あなたの当たり前は、外構工事業者やエクステリア工事業者にとっての当たり前ではありません。
これを知る事で、工事の失敗を確実に減らせますよ!
二重見積もりが無いか確認
これ、ただのミスの場合もありますが、意図的にやっている場合もあります。
そうなってくると、もう詐欺みたいなものなのですが、意外な事に結構多いんです。
それでは例を見てみましょう。新築での外構工事で、内容にカーポートが含まれる場合。
このように、全体の土工事の中に残土処分の項目が記載されています。
立米単価8,000円で3.3立米分。これは適正です。問題ありません。
問題なのは次の部分。
あれ?
また残土処分の項目が出てきましたね。今度は一式で5,000円。
これって一体どういう事なんでしょう。
この5,000円の残土処分は、外構工事全体に含まれるカーポート部分の単体工事内容内訳になるんですが、こういう風に単体項目を全体工事と区別するのは、ままあることなので、それぞれ別に書かれていること自体は特におかしい訳ではありません。
ですが、問題は値段です。
少し計算してみましょう。
カーポート基礎のサイズについても、実は色々問題がある部分なのですが、ここでは仮に縦30cm × 横30cm x 深さ55cmで掘られる予定だとします。柱は2本なので、これが2つ。さらに土は掘った後、土質により変動しますが、10%〜30%膨らむので、そこで1.3を掛けます。
なので計算式はこうなります。
0.3 × 0.3 × 0.5 × 2 × 1.3= 0.1287
約0.13立米ですね。
残土処分は8,000円 × 立米ですから、0.13を掛けると1,040円です。
見積書の内容だと一式5,000円なので、3,960円多く書かれている事になります。
なんでこうなってしまうのでしょう。
建築に限らない話ですが、こういった作業費用には、最低単価設定というものがあります。
カーポートを単体工事で依頼する場合、そんなに処分量は多くはないものの、残土処分が発生します。これに最低単価設定の残土処分費用が5,000円〜8,000円掛かるんですね。
つまり、今回のケースは、複合工事にも関わらず残土処分費用が単体工事の計算で計上されてしまっているんです。
わざとやっているのであれば悪質ですが、もしかすると提出している外構工事業者も気付いていない可能性だってあります。いわゆる凡ミスですね。
こんな事は意外と多くあるので、面倒ですが、項目を一つ一つ確認して、疑問に思ったことは担当者に質問するようにしましょう。
人を信用するのは素晴らしい事でもありますが、自分でも気づかないうちに損しているかも知れませんからね。
施工要領を書面で提示してもらう
いわゆる施工要領書です。
施工要領をご存知ない方へ簡単に一言で説明すると、施工要領とは工事の基準を示した内容説明書です。
料理のレシピに例えると分かりやすいと思います。
使う材料や分量など、きちんと決めておかないと、毎回味が変わってしまいますよね?調味料はもちろん、食材の質によってもクオリティが大幅に上下します。
工事もこれと一緒です。
パッと見は似ていても、中身は違うんです!
もう気付いたでしょう。この施工要領が、工事成功の可否を左右するもの凄く重大な存在だと言う事に。
同じデザインなら単純に安い方が良いと思っていた方には一度ちゃんと考えてもらいたいことです。
安いには安いなりの理由があります。
あなたの外構、見た目はフェラーリでも、中身は軽自動車かも知れませんよ。
車ならまだいいです。ですが、外構工事は身の安全に関わる場合もあります。一生のことです。こればかりはお金の問題ではありませんからね。
駐車場土間コンクリート打設工程
例として駐車場に使用する土間コンクリートの作業工程を見てください。
- 掘削。仕上がり高さから200mm掘り下げます。
- 綺麗に整地を行い、大きな石などは取り除きます。
- 60kgまたは80kgのプレートで転圧していきます。
- 再生砕石またはクラッシャーランを100mm敷き均します。
- 再度60kgまたは80kgのプレートで転圧します。
- メッシュ筋(ワイヤーメッシュ)5.5mm以上を結束して、サイコロ(配筋スペーサー)を下に敷き、少し浮かせます。
- 強度21N/㎟〜24N/㎟の生コンクリートを厚み100mm以上で打設します。
上記のような施工が必要です。土地の気候等にもよりますが、土間の厚み150mm〜200mmの所なんかもあります。
しかし、値段を重視した価格の安い工事は実はこうかも知れません。
- 掘削。仕上がり高さから100mm〜120mmほど掘り下げます。
- ある程度の整地を行い、石などは、埋めてしまいます。
- 転圧は行わず、申し訳程度に再生砕石を敷きます。
- 60kgまたは80kgのプレートで転圧します。
- メッシュ筋(ワイヤーメッシュ)5.5mmを、浮かさずそのまま敷きます。
- 強度18N/㎟の生コンクリートで80mm〜100mm(またはそれに満たない)の厚みで打設します。
表面上は同じに見えるかも知れません。ですが、中身は明らかに手抜き工事です。
本当にそんな杜撰な工事が行われているの?と思うかも知れませんが、一昔前はこんな工事店がいくらでもありましたよ。
恥ずかしながら、実は私も昔はこうでした…。
もちろん今は少なくなってきていますが、こういった業者はまだ完全にいなくなった訳ではありませんよ。
特に安過ぎる業者は、施工要領を確実に確認するようにしましょう。
口頭だけではなく書面で貰うようにすると完璧です!
施工要領書が無い外構工事業者さんには要注意。必ず作成してもらいましょう。口約束だけで、書面にしてくれない業者は信用できません。いくら安くても断るべきです。必ず後悔しますよ!
今回は土間コンクリート打設を例に説明をしましたが、実は一番危険なのはブロック積み工事です。こちらは命に関わる内容になってきます。その話はまた別の機会に書いていきます!
いかがだったでしょうか?見積書を理解するための2つのポイント
大きな買い物ですから、この2つのポイントをきっちり見極めて、失敗のない外構工事を行ないましょう!
最後まで見ていただいてありがとうございました。
今後もためになる記事を書いていきます!
今後の励みにもなりますので良かったらコメントもお願いします。
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