高額になりがちなハウスメーカーの外構工事
新築外構工事の経験がある方はお分かりになるかと思いますが、ハウスメーカーが用意してくれる外構工事プランというのは、どうしても割高になりがちです。
予算的に苦しんで、ああでもないこうでもないと悩んでいると、ハウスメーカーの営業担当からこんな提案をされる事があります。
うちが間に入るとどうしても高くなるので見積もりから外しましょうか?
下請けの外構工事業者を紹介するので直接やり取りすれば安くなりますよ。
こんな感じ。
お金に困っている所にこの申し出ですから、もう営業担当が天使に見えてきますよね。
営業担当の優しい思いやりだと感じて、ついつい「ではそうしよう。」なんて思ってしまいます。
でもここに落とし穴。
得なのは値段だけという事を忘れてはいけませんよ!
今回は、ハウスメーカーを飛ばして下請け外構工事業者に直接依頼する際に、注意しなければいけない3つのポイントについて説明していきます。
それではやっていきますよ!
最初に
そもそもハウスメーカーって凄い存在なのです。特に大手ハウスメーカー。
やはり大手を振って自分たちの名前を売っている訳なので下手な事ができません。
たとえ本業の建物のことではなく副業的な外構の事だとしても、○○ホームの外構は手抜き工事で質が悪くてすぐダメになる。なんて風評が立ったらたちまちやっていけなくなりますからね。
ですからその辺りの対策は徹底しています。
ハウスメーカーの下請け外構工事業者は、トラブルやクレームが起きないように、ありとあらゆるマニュアルと管理体制にがんじがらめにされるのです。
そのお陰で、値段相応のハイクオリティな外構が出来上がるという訳ですね!
さて、ここで話は最初に戻ります。
予算が足りずに悩んでいるユーザーが居ます。
ハウスメーカーの営業担当は、当然仕事を受注したいです。
でも会社には基準を守る為の規定利益率が設定されていて、この利益率を下げることはできません。
最悪本業の建物だけでも絶対に契約したいと考えます。
そこで先程の申し出です。
うちが間に入るとどうしても高くなるので見積もりから外しましょうか?
下請けの外構工事業者を紹介するので直接やり取りすれば安くなりますよ。
ニュアンスが変わってきますよね。
建物に比べて利益の薄い外構工事は切り捨てられた訳です。
そしてこのハウスメーカーを飛ばして下請け外構工事業者に依頼する話にはもう一つ裏があります。
それは工事のクオリティが確実に下がるという事です。
ではなぜ同じ工事業者なのに、ハウスメーカーを通さないと品質が下がるのでしょう。
以下説明してきます。
施工要領が無い
そもそも施工要領をご存じない方のために、まずは施工要領の説明をします。
一言で簡単に言ってしまえば、工事の基準が書いてある仕様説明書です。
え、そういうのって建築基準法とかで最初から決まっている訳じゃないの?
なんて思うかもしれません。
もちろん決まりはありますよ。でもそれは最低限の決まりです。
施工要領は各ハウスメーカーが法に則った上で、更に独自で適正な要領を確立させ、品質にバラつきが出ないように仕様を統一したマニュアル書でもあるのです。
この施工要領に基づいて下請け外構工事業者は工事を行うので、何か問題が起きれば必ずやり直しますし、証拠になる施工写真も確実に撮影します。
こうやって書いていくと何だかハウスメーカーの回し者みたいですが、そういう訳ではありません。
だってその分高いですから。品質が良くて当たり前なのです。
ここで気づいて欲しいのですが、誰も「下請け工事業者はハウスメーカーが抜けても同じ施工基準で工事をする」なんて一言も言っていません。
普段ハウスメーカーの下請け外構工事業者は施工要領に縛られています。
施工要領が無ければ職人は各人思い思いに自分流のやり方で工事を行いますし、指定が無いので資材をケチって費用を浮かせようとします。写真だって取りませんし、担当者も付きません。
そこに品質を保証するものは無いのです。
それでも安さを重視して下請け業者に直接依頼しますか?
連絡が取れない
営業担当はハウスメーカーの人間なので、それを飛ばせば外構工事に本業の営業がつかないのは当たり前です。
では誰が窓口になってくれるのかというと、大抵は工事を行う職人が兼任するのが一般的です。
でも職人と営業の兼任ってどうなのでしょう?
下請け外構業者の場合、専属の営業職が居る事はまずありません。
あるとしても現場を引退した創業社長くらいで、殆どが職人ベースで兼任します。
つまり営業はあくまでプラスαで本来苦手ということです。
職人というのは、図面を見て現地で納まりを確認し、実際に形にする事のプロフェッショナルです。
現場全体の管理やユーザーと話をする事は、はっきり言って得意ではありませんし、できることならやりたくないと思っています。
なので、作業中に電話が掛かってきても応答しないなんて事はザラにあります。単純に面倒くさいからですね。急いで伝えたいことがあるユーザーの気持ちは届きません。
職人の気持ちになって考えれば、あれこれ面倒なエンドユーザーの仕事よりも、いつも通りハウスメーカーを通した仕事の方を大切にしたくなる訳です。
単発的なエンドユーザー工事よりも、継続的なメーカー工事の方が業務も安定しますしね。
追加工事が高い
最初に予定していた工事だけではなく、追加で別の工事を依頼する場合、思いがけない金額を請求される事があります。
それでも普通に頼むより安いはず…
なんてそのまま頼んでしまいがちなのですが、そこは要注意。
鵜呑みにしないでちゃんと相場価格を調べた方が良いですよ。
なぜ追加工事の費用が高くなるのか。そこには下請け業者ならではの理由があります。
普段ハウスメーカーの下請け工事をしている外構工事業者というのは、ハウスメーカーから請負工事単価を叩かれています。
これはユーザーのためでもありますし、会社の利益の為にも仕方のないことかも知れません。
でもその分下請け業者は泣いています。金銭的に余裕が無いのです。
そんな下請け業者にとって、自分で値段を決めることができる追加工事はハイライトです。
逆に言えば、ここにしか直依頼の旨味がありません。
元々値段を下げるためにハウスメーカーを通さない訳ですから、直依頼の時点では下請け業者は金額の上乗せをしていません。
下請け業者としては、貰える金額は変わらないのに営業分の手間が増えています。その分を取り返そうと追加工事の料金に上乗せするのですね。
もちろん法外な金額を請求される訳ではありませんが、決して安くはないという事は知っておきましょう。
まとめ
- ハウスメーカーの工事費用は高い。
- 高いのは高品質な施工要領があるから。
- ハウスメーカーから下請け業者を紹介されたら要注意。
以上を踏まえて、外構工事のおすすめは2つ。
- 費用は高くても、しっかりとお金を溜めてハウスメーカーに一括で依頼する。
- 施工要領のしっかりした外構工事専門店に依頼する。
この2点しか無いと言っても過言ではありません。
「安いから」と安易に流されず、ちゃんとリスクを知った上で判断するようにしましょう。
最後まで見ていただいてありがとうございました。
今後もためになる記事を書いていきます!
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