※この記事は2022年5月13日に公開した記事を編集し、2024年9月6日に再公開したものです。
カーポートの工事業者を価格で選ぶ人が知らない現実
同じカーポートをつけるなら安いほうがオトク?!
同じ商品なら、工事費がなるべく安い業者を探そう!と思っていませんか?
その考え方は商品を購入する時だけにしてください!
今回はカーポートの基礎の在り方について、少し怖い話を書いていきます。
「とにかく安いのが大好き!」とか、もうすでに工事が完了していて現実逃避したい方は見ないでください(笑)
これは本当に危険な話で、よくいままで傾いたり倒れなかったりしなかったなと思うほどです。今回のポイントは2つですよ!
- 守られないメーカー基準
- 見えなくなる部分ほど危険
実際によく問題になる施工基準の話。
“カーポート”も同様です!
まず最初に言っておきます!
残念ながら「これ」という正解はありません。
しかし20年間いろいろな設置場所を見てきた経験でこれなら安心!という基準を書いていきたいと思います。
それではやっていきますよ!
1.守られないメーカー基準
突然ですが、カーポートの取り付けにメーカーが定める(推奨)基礎の大きさがあるのはご存じですか?
今回は一般的なカーポートで見るメーカーが定める基礎サイズと、実際に全国の工事で採用している基礎サイズを比較していきます!
メーカーが推奨する基礎のサイズ
上の図の通り、基礎の大きさは(縦×横×高さ)700×600×550(単位:mm)です。
これがメーカーの定める基礎工事の施工基準になります。
今回はLIXIL社の”ネスカF”というスタンダードなカーポートの基準を参考にしています。
カーポートの中でも、メーカーの定める基礎サイズが“小さい”商品です。
普通に考えれば、図の基礎の大きさが施工基準だし、この工事が実際に行われていると思いますよね?
この業界のグレーなポイントの1つがここですね。
施工費用と基礎の大きさの関係
今、このカーポート1台購入しようとした場合、最安値で「約12万円」程度で購入可能です。
では、メーカーが推奨する図面通りの基礎を作るとしたら、どれくらいの費用が必要になるのでしょうか?
実際「7~9万円」は必要になるんです。
人件費・残土運搬・処分費や、コンクリートのはつり費用・コンクリート打設費用などですね。
そこに組み立て費用もプラスすると「10~12万円」。
あれ?おかしいですね?
「12万円」でカーポートが買えるはずなのに工事費だけでこんなにかかるんだ。商品が無料なわけないのに・・。
そうなんです…
施工費用を安くするために、基礎部分の作業を減らして調整している業者が多いんです。
実際の基礎のサイズ
実際に多く施工されている基礎の大きさを公開しますと250×250×550(単位:mm)です。
基準よりだいぶ小さいですね・・・。
さらに200×200×550(単位:mm)なんてところもすごく多いですよ!
小さな基礎で建てられたカーポートは平成30年の”台風21号”が上陸した際は、ほとんど吹き飛んでいました。こんなところにカーポートが・・。なんて光景が関西では当たり前に見られました。
普段そうでなくても“風速20m”の風が数回来るだけで傾いているカーポートが実際にはたくさんあります。みなさん気付いていないだけです!
「垂直」とか「水平」とか毎日見ている私としては気になって仕方がありません。
こんな状態が横行しているカーポートの施工ですが、メーカー基礎サイズでカーポートを建てるとなると予算が大幅にオーバーしてしまいます。(恐らく23万円程度)
安全と費用とのバランスを大切に
縦×横×高さ/350×350×550(単位:mm)が安全にも十分配慮でき、料金も満足の程よい基礎の大きさということで決めていきます。
※土間コンクリート施工時
「12万円」では取り付けできないとは思いますが安全優先で、「1~2万円」程度のUPで一般的には施工が可能だと思います。
このブログを読んでいただいた方は、必ず見積もり時に基礎の大きさを確認してください。そして、この基準を満たせるように価格調整してもらいましょう!
※価格は業者さんによって変わりますので参考程度に考えてください
2.見えなくなる部分ほど危険
施工途中の写真や現場確認は必須
基礎サイズが確認できたら安心という訳ではありません。地中に埋まって見えなくなる部分ですので、工事の様子もしっかりと確認してください。
施工に立ち会うのが確実ですが、難しい場合は施工の様子を写真で残してもらいましょう。
この写真の中で一番重要なのは“カーポートの柱の穴”を掘った後の写真です。
深くなるにつれて、穴の大きさがどんどん細く小さくなっている場合がよくあります。
メジャーなど、サイズが分かるものと一緒に撮影してもらうと安心ですね!
あともう1点。これが最重要ポイントになります。
柱位置に配管が無いか
水道管やガス管、電気の線などの配管があったために、本来埋めなければいけない柱のサイズが守られていないことがあります。
もっとひどいのは切り欠きといって柱の一部を配管部分だけ切り取ってしまい、巻き込んでしまうという方法をしている可能性もあります。
これでは強度を保つことが出来ず、大変危険です。
この穴の中には絶対に”注意”が必要ですので、業者さんに頼んで写真を提出してもらうか、工事の日は必ず立ち合い自分の目で確認することをおすすめします!
今後もためになる記事書いていきます!
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